桜咲く、散る。
今年もわが家の八重桜が咲きました。樹齢40年強。写真がちょっと暗いかな。
この桜は「法輪寺桜」と呼ばれています。染井吉野がすっかり散った頃に咲き始める八重桜で、名前は京都の嵐山にある法輪寺に由来します。この法輪寺というお寺は虚空蔵菩薩さまがご本尊。桜の観光名所でもあるようで、寒桜やソメイヨシノのような一重の桜、八重桜など、いろんな種類の桜が咲き繋いで、3月から5月の連休明け頃までの長い間楽しめるそうです。
わが家の法輪寺桜はわたしが十代の頃、亡き母が京都から苗木を持ち帰り、庭に植えたものです。知人を介して法輪寺にご縁があり、分けていただいたと聞きました。母が存命中はお寺さんから雅な毛筆の年賀状が届いていたのを覚えています。
その母が亡くなって10年以上経った頃、長野県で桜の花漬けを取材したのを機に自分で桜の塩漬けをつくりました。花がふわっと開き始めた頃合いを狙って一輪ずつ摘み、抱えるほどの大きさのザルに3杯ほどの量です。6年くらいつくっていたかなぁ。なぜか収穫と仕事の忙しい日がぶつかるんです。桜の開花は待ってくれないから、徹夜明けでふらふらのまま木の高みに必死に取り付いたものでした。
いま思えばやってよかった。花に埋もれて収穫していると、ほのかに桜の香りを感じて豊かな気持ちになります。かなりお騒がせな存在だった母も、時が経つうちに思い出になりつつあります。いつかご本家の桜を眺めに京都の法輪寺を訪ねてみたいです。
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